伝統工芸の技をつないでいくために
金沢の伝統工芸である金沢箔業界では、これまで箔と箔合紙の積層体の断ち切り工程(裁断する加工)はすべて職人による手作業で行われてきました。
しかし、近年は職人の後継者不足に起因する人手不足が問題となっており、技術がなくとも裁断できる装置の開発が求められていました。
そこで職人さんの裁断技術を再現し、自動で裁断を行う装置を開発しました。
これにより、数年かけて技術を習得しなければできなかった箔積層体の裁断が、誰でもすぐにできるようになりました。
金沢の機械産業の技術を結集
金沢には繊維機械にルーツを持つ機械産業の歴史があります。箔裁断機の開発にあたり、金沢大学による研究や地元の機械産業企業の技術を結集することで装置を完成させることができました。
金沢には幅広い分野の金属加工業者、表面処理業者、機械工具商社が多数集積しており、それらの業者の技術力があったからこそできた装置だと言えます。